気ままなモノづくり日記

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設備設計で気を付けるべきこと ~不良対策~

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前書き

こんにちは、Rokiです!

今回は設備設計するうえで気を付けるべき不良対策に関して述べていきます。

なるべく不良率の低い設備を作ることを求められますので、設備設計者は設計前に設備で起こり得る不良モードを抑えておかなければなりません。

しかし、実際の設備設計においてはこの予め不良モードを把握するということが意外にも難しいのです。
設備が完成してから設計的な欠陥による不良が発生してしまい、何故最初から想定しておかなかったのかと怒られることもあるのですが、やはり設備構想段階では実際の設備の動作、不良品を見ているわけではありません。勿論設計者なりに色々と想定はしているのでしょうが想像力だけで補うというのは大変難しいことなのです。

とはいえ可能な限り設計段階においてリスクを低減したいですので、以下に設備設計者のできる不良の想定方法を記しました。

不良の想定方法

1.商品設計者に確認する

設備起因の不良は想定しやすいのですが、設備が生産する商品特有の不良については盲点になりがちです。例えば、40℃以上の熱を加えると商品が変形するにも関わらず、モータの熱が製品に伝わって50℃になっていたなどです。このようなトラップのような話を避けるためにも商品の使われ方、特製に詳しい商品設計者に不良モードを確認するとよいでしょう。しかし、商品設計者が設備のこともよく分かっているということは珍しいですので、これだけではリスクを払拭することはできません。

2.過去トラリストを確認する

まったくの新工法の設備では通用しないかもしれませんが、大抵は何かしらの類似した前例があるものです。過去トラ(過去のトラブル)がデータベース化されているような企業では関連しそうな過去トラを調べてみると良いでしょう。もしないようであれば、品証部門に依頼してデータベースシステムを構築すべきかと思います。

3.顧客からトラブル情報を得る

顧客側がトラブル情報をデータベース化していることも多いので、顧客窓口担当者から情報入手することも可能です。顧客側が何を心配しているかが見えてきますし、こちらの知らない情報が手に入る可能性が高いのでおススメします。

 

勿論、上記以外にも様々な方法があると思います。

不良対策を履歴管理する

想定した懸念モードとその対策をFMEA(Failure Mode and Effect Analysis)などにして記録しておくことで、抜け漏れのチェックと当初の想定の履歴が残ります。FMEAを詳しく知りたい方はネットで調べて頂けると関連する記事が色々と出てくるかと思います。

これも主観によるところが大きいですので絶対にやらないといけないという訳ではありませんが、車載案件などでは顧客から提出を求められることがありますので、不良モードと対策をきちんと第三者に視える化しておくことが大事になります。

不良対策に優先度を設ける

設備の構想段階では致命不良だけは絶対に見落とさないということが重要です。

致命不良というのは製品が特性を発揮しなくなり、お客様からのクレームになりうる不良のことです。特に気を付けるべきは、外観検査、特性検査で引っかかる不良よりも、検査を一時的にはスルーするものの、経時変化により長期間で使用されるうちに徐々に進行するタイプの不良です。

逆に致命でない不良というのは、製品に埃や傷がつくなどの外観不良です。当然、外観不良も配慮しなければならないのですが、こちらを一生懸命議論や対策をするのであれば、設備構想段階においては如何に致命不良を防ぐかに注力された方がよいかと考えてます。

やはり時間は有限ですので効率的に設備開発を進めるためにも、今やるべきことと後からでも何とでもなることの棲み分けは重要です。

後書き

今回は以上になります。

特定の設備に対してコメントをしている訳ではありませんのでやや抽象的な内容になってしまうのが申し訳ないのですが、筆者の経験上やっておいた方がいいと思ったことを書き綴らさせて頂きました。

設備が完成してしますと後戻りが難しくなりますので、不良モードに限らず開発段階でしっかりとリスクを抽出して対策を入れ込んでおくことが大事となります。

(逆にこれがきちんとできていないくて痛い目にあった装置を何台も見たことがあります。)

皆さんも是非、源流型の開発にトライしてみて下さい!

では、また次の記事でお会いしましょう!