気ままなモノづくり日記

製造業のモノづくりの魅力や生の情報を発信していきます!

221025 連続処理とバッチ処理の使い分け

 

 

221025 連続処理とバッチ処理の使い分け

ライン設計の際に大きな分岐点となるのが、連続処理とするかバッチ処理とするかである。使い分けがケースバイケースのため判断が難しいが判断基準について少し考えてみたい。

連続処理とバッチ処理とは

簡単に言うと、オーブンに一定数のクッキーを入れて焼くのがバッチ処理である。ベルトコンベアにクッキーを置いて搬送しながら焼き上げるのが連続処理である。何となく自動化レベルが高いが設備投資が高くつくのが連続処理というイメージを持って頂けばと思う。

連続処理とバッチ処理の違い

連続処理にした方が生産性は優れるが、搬送系の投資が大きくなりラインが決まった動きしかできなくなるため柔軟性が損なわれる。

バッチ処理にすると上記のデメリットは無くなるものの、工程間に製品を送るための作業ロスや仕掛りが発生する

 

バッチ処理にするか、連続処理にするかはどのような判断基準を設けるべきか?

個人的には製品のサイズに依存するように思う。

極端な例だが、自動車工場のような巨大な製品を取り扱うラインでは車体を連続搬送しているケースがほとんどだと思う。これは製品が大きすぎるためバッチ処理が不可能ということも要因ではあるが、小さい部品であればバッチ処理の量を大きくできるため、工程間に製品を送る際に生じる作業者の労務費や作業時間による生産ロスの影響が無視できるほど小さくなるからである。

部品サイズが大きい場合はバッチ処理できる量が少量で割に合わなくなることから連続処理を検討するようになる。

製品のロットサイズを切り口に判断するのは自然な考え方なように思う。

 

では、どちらでも対応できそうな中間サイズの製品はどのようにすべきか?

これについては、設備や工程が連続搬送かバッチ処理のどちらに向いているかで決まるように思う。仮にライン設備の仕様を自由に決められるのであれば、連続処理に挑戦した方が最終的な生産性は高くなるため最初から連続搬送にトライすることをお勧めする。

ただし、難易度が高くトラブルによる稼働ロスが見込まれるような工程が間にある場合は、その工程がストップした場合にすべてラインがストップしてしまうため安易に連続処理しようとするのは危険である。

このような場合はバッチ設備を複数台に分けて用意しておき、トラブルの際に全ラインが停止しないようなバックアップを検討すべきである。可能な限り稼働し続けられる生産性に優れたラインを設計しましょう。