気ままなモノづくり日記

製造業のモノづくりの魅力や生の情報を発信していきます!

はじめに ~設備製作編~

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はじめに ~設備製作編~

こんにちは、Rokiです!

今やモノづくりにおいて、生産性向上や品質安定化、加工コスト削減のため自動機の導入は欠かせないものになっています。

世の中に様々な製品があるように、それを生産する自動機も一品一様で様々な種類があります。

この設備製作編では、私の知りうるほんの一部分ではありますが製造設備設計製作のノウハウ等を綴っていこうと思います!

内作設備と外注設備について

設備の作り方は、内作外注かの大きく分けて2通りありますので、当ブログでもこれらを分けて紹介していきたいと思います。

簡単に言うと社内のリソースを使って設備製作するのが内作、社外のメーカさんに委託して設備製作をするのが外注です。

それぞれの違いと使い分けを見ていきましょう。

内作設備

社内に設計者や装置の組立調整員がいる場合は内作で設備製作することが可能です。

次のようなケースでは内作で設備製作を行います。

  1.  社外にはない独自性の極めて高い技術を用いて設備製作したい。(社外に技術を流出させたくない)
  2.  社内で設備製作した方が安上がりで済む。
  3.  社内で十分に製作実績がある設備である。
メリット

内作のメリットとしては外注と比較してコストが安く済むケースが多いことがあげられます。

社外メーカで装置製作をした場合は、設計費や購入品、部材費が社内よりも高価になります。なぜなら、どこのメーカさんも原価の10~20%程度の管理費を上乗せして見積りを取るからです。ようは、社内で設備製作するよりも多くの人件費がかかるということですね。

さらに、メーカさんや商品にもよって異なりますが、全体価格の3~20%程度の利益率がこれに上乗せされますのでどうしても値段は高価になります。この利益率は外注さんのリスク回避のために削ることはできません。

また、もう一つのメリットとしては技術を外部流出させないことにあります。コア技術が競合他社に対して優位性をもっているのであれば、情報流出する可能性のある外注は避けた方が賢明でしょう。

リスク

内作のリスクとしては、社内にノウハウがあまりないような装置では予想以上に製作期間やコストが大きくなってしまう可能性があること、設備の品質が担保できない可能性があることが考えられます。やはり技術はトライ&エラーの試行錯誤的な要素もありますので、他社の装置を自社で内作すると意外と簡単ではなかったといことが起こり得ます。最悪設備が完成しない可能性すらあり得ます。

 外注設備について

 次のようなケースでは外注で設備製作を行います。

  1.  社内で保有している技術では設備製作できない。(社外のメーカさんでしか対応できないコア技術やノウハウが存在する。)
  2.  外注で製作した方が安上がりで済む。
  3.  社内のリソースが不十分なため社外にした方がメリットがある。
メリット

一般的には外注製作した方がコストが高くなる傾向があるのですが、専門のメーカさんに外注する訳ですのでよっぽどのことがない限りはしっかりした品質の装置が出来上がります。場合によっては納期が短くて済むトラブルサポートが充実している等のメリットもあります。

ですが、やはりそのメーカが得意とする技術で設備製作をすることで余計なリスクを回避するというのが外注の一番のメリットであると思います。

 

リスク

技術漏洩するリスクがあります。モノづくりの世界は広いようで狭いですので自社の競合先と外注さんがつながっている可能性があり得ますので、自社の技術を開示するときは気を付けましょう。また、そのようなリスクが少しでも懸念される場合はNDA(秘密保持契約)を両社間で締結することが一般的です。

また、当たり前かもしれませんが発注側がしっかり管理しないと機能しません。例えば、資材部がコスト管理を怠れば適正な市場価格とならなかったり、技術部がきちんと仕様を伝えなければ装置が完成してから全然使えないことが分かったりと色々問題が出てきます。基本的に外注さんは装置をどのように使うかまでは考えてくれません。それは委託する側がきちんと外注さんに伝えなくてはいけないことですので、装置仕様決定の責任は発注側にあると考えて下さい。お金を払っているのだから外注にすべてお任せというのは絶対にしてはいけません。このトピックに限ったことではありませんが問題があれば相手の責任にするのではなく、常に自責の精神で臨むことが大事です。

最後に、外注に頼りすぎると自社の技術が風化する恐れがあります。技術は会社ではなく人に残る性質があるため、自社のノウハウを風化させない仕組みづくりが大事です。

まとめ

 以上、簡単でありますが内作と外注の違いについて述べていきました。一般的には内作した場合のリスクと外注した場合のリスクを比較して消去法的にどちらが最適か選択できると考えていますが、最も重要なのは技術の本質の見極めでしょう。

内作か外注かというのは設備製作する上で非常に重要な判断ポイントになりますので慎重に見極めるようにしましょう!

 

今回は以上になります。

また次回お会いしましょう!