221210 自社設備安全仕様とメーカ安全仕様の不一致について
知り合いのTさんが設備メーカと設備安全仕様の不一致で揉めていた事例がありましたので、少し記事にしてみたいと思いました。
トラブル状況
- Tさんは設備メーカAに特注設備の製作を依頼。
- 設備発注時に自社の安全標準書類をメーカAに提出しており、Tさんは自社基準に準拠した設備設計がなされると考えていた。
- 実際に設備が出来上がると、安全基準を満たしていない項目が散見された。修正を依頼するも設備メーカAの設計担当者は自社での安全基準は満たしているため実用上安全であるため修正不要との回答のため議論が平行線となってしまった。(知り合いのTさんは、この対応に大変不満を覚えておりメーカAを酷評していました)
Tさんの仕事の進め方は何が問題だったのか
Tさんは完全に被害者の体で話をしていましたが、実はTさん側にも落ち度があるように私は思いました。
最近、自社の設備標準仕様書を事前にメーカにお渡しする企業がほとんどだと思いますが、自分でも設備標準仕様書を読み込んだことはあるでしょうか?膨大な書類の量のためほとんど目を通さずメーカに投げるだけの担当者が大多数なのではと考えています。委託先は通常の設計業務でも多忙ですので、いちいち詳細まで目を通していられないのが現状ですので、どうしても守ってほしい項目があるのであれば事前にメーカと打合せをしてお互いの認識を合わせておく必要があったと思います。この作業を怠っている場合はAさんにも落ち度があると考えてます。
また、メーカ側はお金をもらって仕事をしますので、どうしても対応しなければいけない仕様があるのであれば追加料金を払ってでも対応できるかどうか営業担当に打診すべき案件だと考えます。設計担当に幾ら文句を言っても、彼らは決められた予算の中でモノを作ることがミッションですので支払われたお金以上の仕事ができないのです。TさんがメーカAの営業担当と追加工事のお金と工期のすり合わせを実施しようとしたかということもポイントになります。
※Tさんの話を聞く限りでは、メーカAの契約違反ということをしきりに主張されていましたが、仕事内容と報酬が見合っているかどうかについても着目すべきだったかと思います。
メーカAの問題点
メーカAの対応についても同じことが言えます。
設備仕様書を受け取った際に遵守すべき項目について事前のすり合わせをしようとしたかどうか。
メーカAの営業担当が仕様書に準拠した場合の追加コストを設計に相談して見積に反映したかどうか、またその内容を設計者にきちんと説明したかどうか。
結局は、お互いのミスコミがこの問題を引き起こしているように思いますので標準仕様書の取り扱いは依頼元、依頼先の両社が気を付けるようにしましょう。