気ままなモノづくり日記

製造業のモノづくりの魅力や生の情報を発信していきます!

221130 大きな自重を持つ可動部にはカウンターバランス機構を設ける

221130 大きな自重を持つ可動部にはカウンターバランス機構を設ける

こんにちは。最近、マネジメントに携わる機会が増えて、技術知見について述べる記事がほとんどなくなってしまいましたが、たまには細かいモノづくりのノウハウにも触れたいと思います。

題記の件、カウンターバランスとWeb検索してもゴルフのグリップの先に入れる重石のことがヒットしたので正しい呼び名か自信がないですが、大きな自重を持つ可動部にはカウンターバランス機構を設けましょう。

 

カウンターバランスが無い場合の問題点

例えば、下図のような重量物を上下に動かす機構があったとします。重量物にはそこそこの重量がありますが、モータの負荷トルクよりは小さいため上下に動かすことについては問題ありません。

まあ、カウンターバランスが無くとも通常の動作は可能ですので設計時点では特に問題が無いのですが、長期間重量物を上げ下げすることによる過重や曲げモーメントによる負荷によって、モータやベルト、直動部品の寿命が著しく低下します。

私が携わってきた工程でもカウンターバランスの無い上記の機構は頻繁にトラブルが発生して生産設備のメンテナンスによるダウンタイムが大きくなる傾向がありました。

カウンターバランスの使い方

上記の問題を解消するために、モータやベルトといった機器にかかる負荷を低減することが有効です。具体的には、重量物の自重を相殺するくらいのバネ(エアシリンダでも負荷を支えてくれる機構なら何でもOK)を可動部に取り付けします。

これをカウンターバランスと呼びます。(下図のイメージ)

なるべく重心に近い部分にカウンターバランスを取り付けると効果が大きいです。

勿論、可動量がかなり大きい場合などは取り付けに制約がある場合もあるのですが、取り付けが可能な限りはカウンターバランスを設けておいた方が無難です。

バネなどは基本的にメンテ不要ですので、カウンターバランスを取り付けることで機械部品の破損を防ぐことができて、少しの投資で生産設備の稼働を安定化させることができます。

 

221129 本当に売れる商品、サービスを作るためには

221129 本当に売れる商品、サービスを作るためには

細々とした技術的な内容を突き詰めるのも大事ですが、大きな視点で大局的にモノづくりを考えることも大事です。(日本語合ってますかね??)

製造業は固定費マネジメントによって利益を得ることとも言える訳ですが、どんな商品がよく売れるのかについてはこれまで深く考えたことがありませんでした。

仮説:買うことでモテる商品が売れる

B to C ビジネス(企業対顧客)において、上記の仮説を立ててみたのですが結構当たっているのように思うのは自分だけでしょうか?

例をあげますと、皆さん車を買います。移動という目的のためだけなら安い車にするか電車移動でも良い訳ですが、予算の範囲で少しでもいい車を買いたいのはモテたいからではないでしょうか?

サービスに置き換えても同じことが言える気がしており、時間の無駄とも捉えることのできるSNSが大流行するのも、SNSをすることで異性にモテるからとも捉えることができます。逆にモテることに興味の少ない人はSNSの使用率が低くなる傾向があるような気がしています。

 

結論:売れる商品はモテを加速させる商品

はい、何の検証もなく何の根拠もない結論です。でも、合ってる気がするんですよね。

仮にそれがあることで異性にモテる商品が作れたとするとバカ売れの大ヒット間違いなしだと思います。具体的なアイデアがある訳ではありませんが、そういう方向性で商品を検討すると面白いと思いました。

モテは時代が変わっても永遠に変わらない人間の本質的な欲求ですしね。

 

今日は少しフランクな内容で記事を書いてみました。

 

221129 タイ赴任3年目を迎えて心境の変化

221129 タイ赴任3年目を迎えて心境の変化

こんにちは、Rokiです。

22年9月にタイ赴任の3年目に突入しました。

最初の1年目は製造ラインの立て直しのため怒涛の忙しさ、2年目はタイ人スタッフの仕事のいい加減さとできなさっぷりに心を病みそうになったのですが、3年目に入ってから少し心境に変化が生まれました。(※補足ですが、私個人が決してタイ人に対して悪意がある訳ではないです。)

 

前回、タイ人の良さについて語るといった記事(下記リンク)を書いたように徐々にタイの良さに気づき始めた自分がいます。

221027 タイ人の強みについて語る回 - 気ままなモノづくり日記

タイ人の人情味や明るさは素晴らしいんですよね。

これからタイに赴任する人に向けて伝えたいこと

自分は転職も視野に入れるくらいタイ赴任に嫌気がさしていた時期もあって、特に赴任1年後くらいが一番精神的にもきつかったのですが、2年過ぎるとタイ人やタイの本当の良さが分かってくるようになると思います。それは決してタイが変わった訳ではなく、自分の内面や心境の変化から来るものですので、それまでは頑張ってみることをおススメします。

221129 コミュニケーションの在り方とすれ違い

221129 コミュニケーションの在り方とすれ違い

不定期に記事を書いてきましたが、過去の記事について反省があります。

 

つい先日、風邪を拗らせてしまい喘息のような咳を繰り返していたのですが、久しぶりに会った父親から「アホやのう、仕事ばかりしているから体調を壊すんや」と言われてかなりイラっとしたことがありました。

父親は自分の健康に気を使っての発言なのですが、当時仕事が忙しく休日もロクに休めなかった事情もあったため、自分の状況、立場を全く理解していない父親の発言につい「アホはお前だ」と思ってしまいました。

でも、久しぶりに遭う父親からすれば息子の健康だけが一番の関心毎なんですよね。当人にとっての一番の関心事は仕事であって健康は優先順位は低かったので、当然父親と話は嚙み合いません。

 

過去の記事で色々とタイ人スタッフの問題点を書いておりましたが、当然彼らにも彼らなりの事情が色々とある訳ですので、それを無視して結果だけを見てどうこうは言えない訳です。当時の自分は相手のバックグラウンドを十分に理解していたかなと…。

相手の立場や背景を理解することがコミュニケーションが重要と言われる所以であり、一番の目的だと実感した事例でした。

 

相手の状況、立場を考えたコミュニケーション(評価、要望)ができていますか?

221004 設備の状態変化を検知するには

221004 設備の状態変化を検知するには

設備条件は経時変化する

過酷な状況、条件で稼働する設備は、部品の摩耗、消耗、締結部品やベルトの緩み等で条件を維持することが困難です。そもそも、そういう事態にならないような設備設計を心掛けるべきなのですが、実際にはそうはなっていない生産設備も多々あるのが現状です。

不良や設備トラブルを長時間継続させないためにも、設備条件の変化や異常をタイムリーに検知することが重要になります。

例えばですが、我々の工場では経時変化が即座に品質に影響してしまう設備があります。そのような設備の状態管理のために、以下の機能を搭載いたしました。

設備アラームのカウント&インジケータ機能

設備アラームを直接モニタして、異常発生回数が増加した場合はタッチパネルに異常検知の信号(インジケーター)を表示します。

アラームモードも細分化されていますので、各アラームモードへの対応マニュアルを作成することで原因分析に長けていないスタッフでも保全対処が可能となります。

こういった機能が無ければ保全担当者はパっと見ただけでは何が問題なのか分からず原因分析からスタートする必要があり保全時間のロスになります。あらかじめ何処に問題があるのかを可視化することで、短時間での問題点の絞り込みが可能となります。

最近のPLCではこういったソフトも簡単に組めますので、生産性Upの取組として導入を進めているところになります。

設備アラームのカウント&インジケータ機能のイメージ

1.インジケータ機能

設備のタッチパネルにインジケータ(ランプ)の画面を作成します。各アラームモードが一定の基準を超えるとランプがオレンジに点灯するため現場で設備の異常に気付くことができます。また、ランプは1日の始業時にリセットされます。

2.カウンタ機能

各アラームモードがその日のうちに何回発生したかを表示しています。

アラームは各センサ毎に細分化されていますので、どの部分に異常があるのかすぐに見つけることができます。

 

 

設備アラームのカウント&インジケータ機能のメリット

この機能を導入する以前は製品の不良状態から設備側の異常を原因分析して対処するというルーチンで対応しておりましたが、現場の保全スタッフが不良状態から設備の異常を正しく分析することができず、全く見当違いの調整を実施してしまうことで余計に不良が増えるということが多々ありました。

発生源側の設備異常を直接表示することで問題箇所を特定しやすくします。

また、従来の工程モニタシステム(不良率、稼働率データ)でも異常検知ができますが、担当者が情報を整理して現場のスタッフに連絡して設備の再調整を実施するまでにワンテンポの遅れが発生して、その間に製品不良が積み重なります。

現場で即異常に気付くことができるのは、従来の工程モニタシステムに比べて有利な点です。

221004 現場で直ぐにできる簡単な改善ネタ

221004 現場で直ぐにできる簡単な改善ネタ


設備のカバーといえば板金を使用するのが王道ですが、板金を使用すると内部の様子が見えません。

例えば、カバー内部にセンサが配置されていた場合などは、外側から見てもセンサの反応が分からないため異常を発見しづらいという問題があります。

 

そこで、自社の現場では視認性を高めるために頻繁にセンサの挙動を確認する必要がある箇所についてはアクリルカバーを追加したりしております。

センサ類の異常を見落としづらくなりますし、設備保全の日常点検にも落とし込みしやすくなります。

センサの異常をチェックする点検項目があったとして、都度カバーを取り外さないといけないような点検はやはり現場には受け入れられませんので…。

 

この写真は、以前板金カバーが取り付けられていた箇所をアクリルカバーに変更したものになります。外からでもセンサの誤作動や故障をすぐに見つけることができます。

 

221004 画像処理で文字認識する際の小技

221004 画像処理で文字認識する際の小技(1)

最近、工程で問題になった案件について。

とある工程でレーザ印字された文字を画像処理装置で読み取ってデータ照合をしているのですが、カメラの誤検出率があまりにも高く頻繁にカメラ読み取りミスによる設備のチョコ停が発生してしまいます。スタッフに確認したところカメラの性能の問題だと言っていたのですが、自分にはそもそも見た目が区別しづらい数字を使用していること自体が問題なように感じました

問題:似通った文字をカメラで識別できない

以下のサンプル画像を見て頂ければわかると思いますが、

“1”と“7”

“0”と“8”

“6”と“8”と“9”

の形が似ております。

 

人間であれば雰囲気で見分けることができますが、安価な工業用カメラでは似通った文字を区別するのはけっこう難しいです。

更に、ゴミが付着したり、レーザーのカスレなどで文字の輪郭がぶれると誤検出のリスクが増えます。

対応:画像処理で誤検出しそうな文字は使用リストから除外する

身も蓋もないと思われるかもしれませんが、製造業においては割とよく使う手かと思います。文字のカメラ認識は誤検出しやすいので、最初から似た文字は使用リストから除外するというのがベターなように思います。例えば、Iと1などは工業用レベルのカメラでは区別することはできないので、どちらか一方を使用禁止にしてしまうと良いです。

先ほどの問題で、似ている数字の使用を控えて他の文字に置き換えてみました。

 

例)

7 = S を使用    (Seven)

8 = E を使用    (Eight)  

 

“1”と“S”

“0”と“E”

“6”と“E”と“9”

 

これでカメラによる誤検出のリスクはかなり減ったのでは無いでしょうか?

ただし、後から使用文字種の変更することが難しいケースも多々ありますので、画像処理での文字認識のリスクを想定して最初から仕様に組み込んでおくことがベターです。