気ままなモノづくり日記

製造業のモノづくりの魅力や生の情報を発信していきます!

221027 タイ人の強みについて語る回

221027 タイ人の強みについて語る回

過去の記事を見返してみると、タイの問題点や弱点ばかりをピックアップした記事を書いており、自分でもそういった点にしか目が向かないことは非常に情けないなと思いました。タイ赴任も2年を過ぎまして、タイ人の強みも見えてきましたので記事にしたいと思います。

タイ人の強み

自分が思うタイ人の強みはFriendly, Hospitality, Creativity の3点のように思います。

当然、他にも色々な強みがあるとは思うのですが、まずは簡単にこの3つを紹介します。

Friendly

FのFriendlyはタイ人を表現するワードとしてよく聞かれるかと思いますが、本当にそうだと思います。先輩後輩関わらずに皆仲良しで、話に全然嫌味を感じませんし素直です。底なしに明るいメンバーが多い印象を受けますし、製造現場の雰囲気の日本とは少し違っているように思います。

例えば、日本の工場では現場に何名か職人さんや親方さんがおられて、彼らは直接労働で会社を支えているという自尊心があるため文字通り職人肌であったり頑固なケースが多いように思いますが、タイ人の場合は現場スタッフも基本的にはにこやかで素直な対応をしてくれます。その代わり、現場で後先考えずにやらかしてしまうこともあるのですが、まあ一長一短があるように思います。

基本的に怒っている人はほとんどいないので、精神的(タイ語で”Jai”)にも優しい社会だと思います。(ただし、一定数女王気質の女性がおり彼女たちは自分の思うように振舞おうとします。反論しようものなら後々非常に厄介になりますが、多くの女性はおっとりして優しい人格のように思います。)

Hospitality

Hospitalityについてですが、日本では考えられないくらい他人へのサービス精神に溢れています。正直、そこまでするのはやり過ぎだろうと思うくらい、手厚く面倒をみてくれたり初めて会う人に優しくしてくれたりします。良くも悪くもタイムパフォーマンスの概念が少ないのかもしれません。日本は島国文化ということもあり外国人に対して排他的な側面がありますが、タイは外国人をすんなり受け入れていますので不思議な柔軟性を持っているように思います。

一方で、コミュニティの内部に入ってしまうと意外と冷たかったりもします。悪い言い方をしますと、案外外面が良いだけなのかもしれません。

Creativity 

最後にCreativityですが、若い世代が多いせいもあってか非常にクリエイティブに仕事をしているように思います。エクセルやPLCにしても最新の機能を駆使して、素晴らしく見栄えの良い手のかかった資料(大概は動画付き)や高機能なソフトを作ってくれたりしますので、方向性が上手くマッチすれば凄く良いものができると思いました。

これは日本には無い強みのように思いました。

ですが、Creativity に時間をかけ過ぎてしまって肝心の部分が疎かになっているケースもありますので、優先度のコントロールを上手くしてあげないといけません。自分が楽しいと感じる仕事であれば凄い集中力で対応してくれます。

 

取り急ぎ、本日はここまで。

221027 日記 モノづくりの在り方について考えてみる

221027 日記 モノづくりの在り方について考えてみる

とりとめの無い内容にはなりますが、ふと思ったことを日記として残しておきたいと思います。ちょうどウクライナとロシアの戦争によって世界的に緊張が高まっていますが、タイのすぐ隣の国のミャンマーでも内乱と民族紛争でたくさんの方が被害にあわれており、戦争に対してとても他人事とは思えません。

戦争で様々な兵器が使用されていますが、モノづくりや技術には人を不幸にする側面もあることを忘れてはならないと思いました。

できることなら人々を幸福にする、世の中の平和のためのモノづくりを行いたいものですし、それを根源的なモチベーションとして仕事をしたい思います。

例えば、環境問題を低減するための装置作りであったり、エネルギー問題を解消するための次世代技術開発であったり、人の命を守るための技術であったりです。しかしながら、詳細なデータがある訳ではないですが世の中の国家におけるモノづくりの投資割合を考えると兵器開発や軍用品に割かれる割合の方が多いように思えてしまいます。

思い切って平和のためだけの投資を実行することはできないものなのでしょうか…。

 

タイでは、最近Huawei製のスマートウオッチが流行っています。アップルウオッチは高額ですので手が出しづらいようですが、Huaweiのスマートウオッチであれば6000THB(約20000円強)で手に入るようですので、比較的安価ということで人気があるそうです。

文字盤を好きな絵柄にカスタマイズできたりしますので、個性を出しながら楽しんで使っているようです。人々の生活を少し豊かにする非常に良いモノづくりだなと思いました。

 

一方で、Huawei中国人民解放軍と密接なつながりがあるとも言われており、技術は使い方次第で両方の側面を持ってしまうのは止むを得ないのかもしれません。

私個人としては、どれほど美味しい話があったとしても人を不幸にし得る技術開発は行わずに、平和のための技術を追求し続けたいと思います。

ファラデーやアインシュタインのような記憶に残る技術者は平和主義なので。

タイへ赴任して2年 振り返り 220815

タイへ赴任して2年 振り返り 220815

2019年9月にタイに赴任してから早くも2年が経ちそうです。一つの節目になりますので当時と今の振り返りをしたいと思いました。

タイへの赴任当時について

元々、国内の設備開発部隊で業務をしており、タイ工場へ赴任する予定は全くなかったのですが、国内で開発してからタイ工場へ移管した商品と生産ラインの量産がうまくいかずに、急遽支援が必要ということで赴任したような形になります。

当時は、移管プロジェクトの失敗を巡って事業部と工場が激しく衝突しており、その間で立ち回らればならないことで非常に辛い思いをしました。

移管プロジェクトの問題点

移管PJTの問題点として、以下の2点が大きな問題だったと考えています。

  1. 国内で開発したラインが量産をするうえでは機能不十分であった
  2. 工場側で自動化レベルの高いラインを運用するノウハウがほとんどなかった

1点目に関しては完全に国内側のライン開発に問題がありました。現場や製造を十分に把握していないメンバーでライン開発を実施したため、工程条件が安定せずに量産中に工程条件評価を行ったり、設備の安定稼働性が十分に検討されておらず設備トラブルが多発したり等で原因分析、課題解決に非常に時間がかかりました。私の赴任元の部門が開発したラインでしたので、時には先輩の開発した工程や顔も知らない設備メーカーの方に何度も何度も改善依頼や駄目出しを繰り返して、少しづつ修正していった形です。

2点目に関しては、工場側に自動化レベルの高いラインの維持管理の運用ノウハウが全くと言っていいほど不足しており、保全スタッフが設備トラブルを復旧できない、製造部が自動化ラインでの製品の流し方を理解しない、タイのメンバーが現場の改善まで踏み込めるだけの知見とスキルを持ち合わせていない等、工場側での自主的な改善が全く進みませんでした。タイのメンバーも上手くいかないのは日本の責任としてしまって(実際そうなのですが)、自分たちはノウハウを引継ぎされていないの一点張りで、自分たちでノウハウを作っていこうとする雰囲気が中々生まれませんでした。

 

結果として、ラインのドカ停の多発、不良率が下がらない等の問題が発生し、製品供給能力が不足して顧客への納品が間に合わないという危険な状況となっていました。

ライン改善PRJにあたり苦労したこと

ライン設計において、個人的に一番重要だと思う事がコンセプトが合っていること、次点がメカの設計がきちんとできていることです。この2点が上手く設定されておらず、コンセプトの不一致に関してはどうしようもありませんでしたが、メカ設計が商品とミスマッチしている部分に関しては修正しなければ量産が継続できませんのでまずはメカ設計の修正に着手しました。

メカ設計の修正にあたりほぼすべての設備が何かしらの問題を抱えており、しかも同じ仕様の設備を8ライン分を増設してしまっていたため改善のボリュームに苦労しました。

メカ設計で主に問題となっていたのは、長期間使用した際の安定性を検討できていない、ユーザーの使い勝手を考えられていないなどです。実験機であれば多少のトラブルは許容できますが、量産で使用するとなると可能な限り長い時間だけ設備運転させることが工場損益のうえで重要となりますので、設備が安定稼働しないとすべての前提が崩れてしまいます。

実際、設備の問題点はパッと見たら分かるような内容が多かったですが、設備を既に海外に設置してしまっていることから設備メーカーの直接サポートを受けることができませんでした。(私が赴任した2020年はちょうどCovid-19の真っただ中で、海外出張するにも2週間の隔離が必要といった制約があり、海外の移動がほぼ不可能な状況でした。)

ということで、メーカとWebで問題点、改善策を協議しながら、改善実行は工場のメンバーと国内からの長期出張者メインで請け負わざるを得なかったのですが、改善PJTに割り当てされた工場側のタイ人のスタッフのほとんどが入社3年目以内の若いスタッフばかりで基礎教育が十分にされておらず、指導にも非常に苦労しました。(上層部のやる気を疑いたくなる配員でしたが、タイ工場では中堅スタッフが育たない、もしくは中間層がいないため超ベテランと若手との二極化が問題となっていました。)

 

改善PJTの現在

改善PJTでは、時間こそかかりましたがスタッフ総出で少しずつ改善を進めたこともあり1年経過する頃には設備の状態は当初よりも大幅に改善し、2年経つ頃にはライン設計面での問題点はほぼほぼ解消できつつあり、元ライン開発部隊に所属していた自分の使命は果たせたのかなと考えています。

一方で、前述した工場側の課題については今も根深い問題が多数残っており、当初はライン設計の方が悪いという雰囲気だったのですが、今となっては工場側の不手際の方が顕在化して目立つ結果となっています。

製造面の課題については、タイ人スタッフが積極的に改善に動くことをしなかったため現状維持が続いてしまっていましたので、今後は製造の維持管理の改善に注力していきたいと考えています。

 

余談 現状を維持するためにも改善を続けなければいけない

これはモノづくりの現場で感じたことなのですが、以前できていたことが人の入れ替わり等でいつの間にかできなくなってしまっていることは往々にしてありますので、現状維持のためにも改善をし続けるということが必要です。逆に継続して改善を続けたとしても現状維持になってしまうこともありますので、さらに上のレベルを目指すには常に改善をし続けるという意識を強く持たなければいけません。

これは、あらゆることで通じる心理かと思います。

私もゴルフの上達のために毎回改善に取り組んでいますが、以前できていたことができなくなるスピードと上達のスピードが釣り合ってしまっているため、長期間スコアが停滞中です。とはいえ、練習しなくなると劣化が進むのは間違いありませんので、何事も常に改善し続ける意思を持つようにしなければいけません。

 

エンジニアが最大限尊重される環境を作りたい 220817

エンジニアが最大限尊重される環境を作りたい 220817

仕事中にふと思ったことだが、工場も事業部も社内のエンジニアの扱いが悪いように感じる。勿論、エンジニア側も経営陣に認められるような成果を継続的に上げる努力をするべきなのだが、それにしても経営陣と技術者の溝が深まればモノづくりは上手くいかないというのが私の信条です。

製造業における一つの重点課題かと思うので、身の回りの状況を少し分析することにしました。

社内のエンジニアのモチベーションが低いような気がする。

最近技術メンバーのモチベーションが落ちているような気がしており、どちらが原因と結果かは分からないもののエンジニアが軽視される環境につながっているように思う。

雑ではあるが製造業内の職種をエンジニアと非エンジニア(企画、営業、生産管理、品管etc)に分けるとすると、エンジニアの扱いが悪いと思う具体例をいくつかあげてみる。

  • 問題を解決して当たり前と思われている。非エンジニアには現場の苦労が理解されない。
  • 非エンジニアから問題を持って来られるだけとなっており、一緒に課題解決しようという姿勢が見られない。
  • 非エンジニアから目的のよく分からない打合せに呼ばれ、安心を得るための不要なリスク説明をさせられる。

個人的な見解であるが、非エンジニア職の方がマネジメントに割くことのできる時間が多いためか役職が上位となるケースが多く、エンジニアはマネジメント層からスケジュール管理をされたり、問題解決を迫られるような構図となることがエンジニアのモチベーションを下げているように思う。

何故エンジニアのモチベーションが低いのか

経営陣や非エンジニアがエンジニアの成果、スキルを正しく評価できていないところが大きいように思います。やはり人間は感情で動いてしまうところがありますので、自分の成果を正しく理解して評価してくれる人に付いていきたいと思うものです。

にもかかわらず、実行部隊であるエンジニアの成果をきちんと管理せずに、できていないところばかりを回りが指摘されてしまう。こういった状況をエンジニアが尊重されていない、リスペクトされていないと感じているような気がする。

これでは、エンジニアが前向きに攻めの開発を進めることができないため経営陣にとっても本末転倒であると感じる。

一方で、こういった問題はよく聞く話であって、経営陣や非エンジニア職からしてもエンジニアサイドの無理解を嘆いているように思うので、お互いのことをリスペクトしようという心掛けが重要なのかもしれません。

とはいえ、製造業の中心は技術者であるべきではないか?

技術者管理は経営手段の一つに過ぎない側面があるため仕方ないことなのかもしれないが、製造業は技術者あってのものであるため中心に座すは技術者であってほしい。革新や競争力を生み出せるのは優れた技術者あってこそなので、エンジニアが虐げられるような形のマネジメントでは長期的にみると衰退していくであろうことは想像に難くない。優れた業績を残している会社はTopがテクノロジーに対して非常に深い造詣を持たれているケースが多いように思う。

また、エンジニアサイドも経営やマーケットに興味を持って、積極的に攻めの開発を行えていればエンジニアのモチベーションが下がるような事は無いように思う。ありきたりな結論なのだが、エンジニア職と非エンジニア職とのお互いの歩み寄りが必要であるように思う。

 

 

 

物理で気になること 220815

物理で気になること 220815

8月15日、タイではお盆休みはありませんので明日から仕事で憂鬱です。私の尊敬する幕末の日本の偉人、吉田松陰の言葉を借りますと「勉学の本質は人の生まれた意味を知ることである」だそうです。私は自分の生まれた意味よりも世界の生まれた理由の方が気になる変人ですので、気づいたら物理について身勝手な妄想を膨らませていることがあったりします。

当ブログの趣旨とは異なりますが、私の妄想を文字に起こしておきたいと思います。

世界の成り立ちについて知るための課題設定

この世を深く知るためには解くべき課題が適切に設定されている必要があります。と、偉そうなことを言いつつ、個人的に重要だと思う世界の成り立ちに対する課題を設定します。

  1. この世の中の分解できない最小最低限の情報は、位置、質量、時間であるか?
  2. 質量mが動くことでエネルギーが発生するのは何故か?また、そのエネルギーは何故速度の2乗×質量で記述できるのか?
  3. 無から質量mを作り出すことが可能なのか?また、可能であればマイナス成分を持つ質量がこの世のどこかに存在するのか?

1.この世の中の分解できない最小最低限の情報は、位置、質量、時間であるか?

今の自分の世界を正しく認識することは難しいのだが、少なくとも位置、質量、時間は宇宙のどこにおいても確実に存在する最小単位だと思う。宇宙は膨張を続けているというが、膨張するたびに新たに位置と時間情報が生まれていることから、位置と時間は保存則の視点で考えるとどこから生まれたのかを考える必要があるように思う。

宇宙の外側の何かが変換されてできているのか、それとも質量のエネルギーはマイナスであり、時間と位置が生まれた代わりにマイナス成分である質量が生成されたと考えるとロマンがある。

質量無限大のブラックホールでは時間と位置の概念がゼロに近づくと言うが、質量だけの空間においては時間と位置が存在しないとも言えそうだ。

また、質量がゼロの場合においても位置や時間の概念が無いとも言える。質量無限大と質量ゼロの全くことなる正反対の状態において、見かけ上ではあるが位置と時間は同じような状態を示す。

これは無から有を生むこと、量子力学にもつながっているように思える。

位置、時間、質量の本質とは何か、何から生まれる情報なのかを知ることが命題なのではと思う。

 

2.質量mが動くことでエネルギーが発生するのは何故か?また、そのエネルギーは何故速度の2乗×質量で記述できるのか?

これも上記の問いかけと類似した内容だが、何故運動方程式がma = F であるかということになる。これは、加速度a と力Fをそのように定義したというだけなので、2項の問いかけの答えになっているとは思わない。

僕が知りたいことは、ma = Fが成り立つメカニズムである。

質量が空間の歪ませるのであれば、歪みが動くことになるが、それ自体に抵抗が生じないのは不思議なことであるし、歪みが動くスピードの2乗がエネルギーとなることもよく分からない。

 

3.無から質量mを作り出すことが可能なのか?また、可能であればマイナス成分を持つ質量がこの世のどこかに存在するのか?

どうしても、質量が無から生まれたとはイメージしがたい。

E = mc^2 で記述できるように、質量エネルギーとは非常に膨大で、一体何から質量が生まれたのか想像することも難しい。

仮に無から宇宙が生まれたとするのであれば、全宇宙の質量mと釣り合うだけのマイナスの質量mがどこかに存在しているはずであるがマイナス質量が観測されたことは聞いたことがない。

全宇宙の質量と等価な物理量は、時間と位置くらいしか存在しないように思えてしまう。

所感

こういうテーマを考え出すと時間が幾らあっても足りないと感じています。私が生きている間にもっと多くの世界の謎を人類が解き明かすことを願ってやまないです。

 

 

 

 

 

海外工場の購買事情に関して 220708

海外工場の購買事情に関して 220708

暫くぶりの更新になりますが、購買に関するトピックは直近特に力を入れて書きたかった記事になります。生技の業務を進めていくうえで加工品や購入部品は生産性改善のために欠かせないのですが、海外工場ではこのような部品の調達性の課題が多々あります。簡単に言うと、QCD全般の質が低く、低品質、高価、遅いの3重苦で、人件費が安いはずのタイでCostまで悪化してしまうのか理解に苦しみます。

自社購買の機能がイマイチだからこそたくさんの海外商社がご活躍されている訳で、国内事業所の購買課のパワーを改めて思い知らされました。

今回は、海外購買の実情について生技視点で記載していきたいと思います。

何故低品質になるのか

日本と同じ図面で同じ消耗部品を発注したとしても、海外で調達した部品は国内で調達した部品と比べて寿命が短いケースが多々あります。うちの工場では、マレーシアや中国の加工メーカへ依頼しているケースが多いのですが、部品の寿命が短くなるということは材料の硬度(HRC)等が図面の記載どおりになっていないように思います。おそらくメーカ側で加工しやすいように硬度を落としており、購買側も部品に求められる機能や耐久性を把握していないために加工業者との仕様の取り交わしができていないように思います。
購買課の担当者ですが、製造現場を理解しているスタッフがほとんどおらず事務的にワークフローを流しているだけのようですので、品質に関する調整をメーカと実施できない、そういった機能を購買課が持ち合わせていないです。
購買担当が要求仕様を把握していないため、加工業者の選定も適当になりがちで、完成品の品質を満足しているかどうかは博打になります。
 

何故部品価格が日本よりも高くなるのか

タイ国内で安定生産可能な加工業者があまり無いのではと推測しています。タイで加工できていれば人件費が安い分値段は下がるはずですので。うちの工場もMisumi等を使用しますが、日本国内で加工されたパーツには関税が発生するため国内で仕入れるよりも高価になります。
また、中国、マレーシア等の加工業者に依頼したケースにおいても国内の仕入れ価格の3倍程度のコストとなっていることがあります。これについては購買課の価格交渉力が無いため相手の言い値でものを買ってしまっているように思います。ですが、小さな買いものであれば、部品価格についてはまだ目を潰ることができます。

何故部品調達に時間がかかかるのか

はい、これがこの記事で一番書きたかった内容になります。日本では購買依頼をかけますと遅くとも2、3営業日で発注がかかっておりますが、うちの工場では発注までの社内処理に2~4週間かかることがあります。
工場なのでスペアパーツの在庫切れ等で現場ですぐにモノが欲しいという時も購買の仕事の遅さによって生産が滞ってしまうことが多々あります。
これは生技担当からすると非常に腹立たしいことで、現場をサポートする立場の購買が現場の仕事を妨げているようにすら思えることがあります。
 
ブラックボックスとなっていた購買の仕組み
PO発行までのフローが生技担当からするとブラックボックス化していたため進捗がフォローできないという問題がありましたので、購買のフローの詳細を担当者に確認しました。
購買フローの詳細を下記に示します。

Step が3段階に分かれており、各ステップごとに部門承認が必要であるため普通に承認フローが流れたとしても見積依頼からPO発行までに2週間程度の時間を要することがあります。途中の何かしらの問題が発生して次のステップに進めない場合でも、担当者が途中で諦めて放置してしまっていたり、担当者に連絡を寄こしませんので進捗があるかどうか分からないことがあります。
ここで特異なことは、Step2の見積登録のフローは国内購買おいては存在せず、海外事業所のみのフローとなります。
メーカが提出した見積もりを、何故メーカが再度確認しなければいけないのでしょうか??普通に考えれば無駄なStepでしかありません。
その理由は少し考えれば見えてきます。
見積りを偽造されて会社の金を横流しされるリスクに備える必要がある
実際に海外購買担当者の不祥事は定期的に発生しており、それを防止するためにメーカの見積が正しいことをメーカ自身に確認頂く、かつメーカから承認された見積でしかPOが発行できないシステムが構築されています。
見積を改ざんしたとして担当者の懐に差額が得られるシステムを構築する必要がありますが、これは意外と簡単な方法でできてしまいます。
ここで敢えて書く必要があるか悩みましたが、読者の方には製造業のあらゆるリスクを知っておいて頂きたいですので、何らかの参考になればと思い私の聞いたことのある事例を記したいと思います。
以下、見積偽造による中抜きの模式図になります。

見積偽造まではしていませんが、これを両社合意の元で合法的に進めているのが商社になります。
海外で金を中抜きされて横流しされてしまえば、我々日本人が金を取り返そうとしても現地の金融機関を把握していなければ追いきれない可能性がありますし、多額の損失が発生した場合は工場だけでなく仕入先にも迷惑がかかることになり管理担当者にも責任を問われる事態になりかねません。海外購買においては、QCDの改善は二の次で会社の金を中抜きされるリスクを排除することを一番重視せざるを得ないため、多少仕事が遅くなるのは我慢するしかないのかもしれません。
 

購買問題の解決策について

以上、長くなりましたが海外購買の問題点とその原因についての考察になります。日本のような優れた購買機能を期待するのは難しいのですが、工場管理者としてはQCDの質向上のために購買にはしっかりと働いてもらう必要があります。

この一つの解決策の提案として、自社購買よりも優れたネットワークを持つ商社を利用して部品選定、見積までを行うという手があるように思います。海外工場においては自社購買に100%の信頼を持つことが難しいですし、そういう意味では外部の優れた商社に一部機能を代替してもらうという戦略も有効です。

意外にも自社購買でモノを買い付けるよりも安価な見積が得られることがありますし、スピード感は優れていることが多いです。

自社以外の購買ネットワークを何個か保有しておいて状況に応じて使い分けを行うことが上手な立ち回りのように思います。(自社購買課担当からは、商流が複雑になることや自分たちの領分を侵されるためよく思われないかもしれませんが…。)

 

今回のところは海外購買の課題感に軽く触れただけになりますので、今後さらに深堀できる機会があれば次回の記事にしてみたいと思います。

 

ゴルフ日記⛳ 220709


ゴルフ日記⛳ 220709

今日は赴任中に非常にお世話になった先輩がご帰任となられることとなり、送別コンペを開催いたしました。

スコアは40、42の82とまあまあでしたが、反省点も多々ありました。

良かった点
  • ドライバーショットが狙い通りの左打ち出しのフェードショットとなっておりコントロールできていた。ティーショットのミスがほぼなかった。
  • 最初のホールでダボを叩いたが、以降はパー、ボギーで切り抜けており大叩きするホールが無かった。
悪かった点
  • 後半に集中力を欠いた。アイアンショットの振りぬきがイマイチとなり、後半3ホールで急にダフリが増えた。
  • パターの距離感、方向性が悪い?36パットしており、1パットが2回、3パットが2回。1パットが少なく、頑張れば獲れそうなBDを何個か逃した。
  • ボギーになってしまう。寄せワンができていない。
写真

グリーンの近くにアヒルの群れがおり、近くに落ちたボールに驚いたのかコース上から退避するアヒルの行進の様子

ゴルフの後の夕食はヘルシーにしました。