気ままなモノづくり日記

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儲かるモノづくりのための PLMと原価企画 本紹介 220705

 

儲かるモノづくりのための PLMと原価企画 本紹介 220705

今日は久々に感銘を受けた本について紹介したいと思います。

本のタイトルは「儲かるモノづくりのための PLMと原価企画:設計・製造・会計の連携がもたらす新しい経営手法」です。

著者は北山一真さん、尾崎将さん、伊与田克宏さんになります。

僕の知り合いにPLMに詳しい方がおりまして、その方からPLMの有効性をご説明頂いてからPLMが気になって読んでみた本になります。近年では、PLMが外資系では必須アイテムとなっており、日本企業も導入数を増やしてきているそうです。PLMは直近のトレンドでもありますし、内容を見る限りはやがては製造業の業界標準となる考え方のように思います。(その方は、現在PLMシステムを取り扱う外資系企業に転職されてコンサルとしてご活躍されています。)

概要

PLMとはProduct Lifecycle Managementのことでして、期間損益でなくプロダクト損益で収支を見た方がモノづくりにおいて有利ですよという内容です。製造業では下流に行くほどできること(自由度)が減っていきますし、計と企画で原価の80%は決定されてしまいます。ですので、設計、企画を融合した損益管理システムであるPLMの導入が必須になりつつあり、またPLMを有効活用することで競争力のある製品設計が可能となります。

この説明では、なんのこっちゃかもしれませんがここでは細かい話は書ききれませんので、内容の気になる方は実際に書籍を読んで頂ければと思います。

所感

自分はこれ以外のPLMの書籍を読んだことが無いんですが、PLMベースでのコスト管理と利益創出の方法がロジカルに説明されていたと思います。今まで自分が読んだコンサル系の方が書かれた本の中では一番発展的かつ実用的で問題の本質を付いた内容だったように感じました。特に設計部門のあるべき姿とはDR等の管理強化の仕組みの犠牲になることではなく、原価と設計諸元(コンセプト)の追求・最適化にあることがよく分かります。この書籍の中に出てくるフレーズの、”会社は経営から腐り、事業は設計から腐る”は製造業を知るものからすると、まさにそのとおりだなと思いました。

少々コンセプト偏重なところがありますので、実用可能かというところにハードルがあるのですが考え方を知っておく分には十分勉強になります。

ところで、PLMは設計効率改善のための会計管理システムに過ぎませんので、本当に大事なことは設計者自身が市場競争力のある製品を創出することになるのかなと思いました。ですので、設計者が筋の良い商品を考えたり、技術の深堀を行うという活動の重要性は変わりません。一方で、設計者が効率の良い設計業務に注力できる時間と環境を作るという切り口においても、PLMは有効な考え方です。

余談

本来であれば、書籍のネット通販のリンクを張り付けまでしたかったのですが、自分はやり方が分からずできませんでした…。今はブログの収益化までは考えていませんし、所詮は日記ということで自分の意見・感想を書き留めていくことを大事にしたいと思います。